- FOKA‘Sの脅威が去った地球とプラント。
- 平和はキラ・ヤマトを始めとする者達によって、守られた。
- キラとラクスの結婚式が行われて、数ヶ月が過ぎていた。
- 状況を理解できない約1名はやっと地球圏へと戻って来た。
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- 「久しぶりだな、地球へ来るのは」
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「Seed Shine Conclusion &1 Anniversary」
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- 彼はプラントへ向かった。
- バルトフェルド達に話を聞くために。
- そして、プラント・・・
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- 「ほぉ〜!久しぶりだね。マサカズ」
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- 「いえ、こちらこそ。無事で何よりです」
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- 彼の名はマサカズ・ライモート。
- 作品の枠とサイトの枠を超えて現れた男である。
- バルトフェルドは偶然にもムウと一緒だった。
- どうやら、コーヒーを一緒に飲む約束をしていたらしい。
- 彼はとりあえず、自分の居ない間に何か起きたていないか二人に聞くことにした。
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- 「私が居ない間に何かあったのですか?」
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- マサカズのその言葉を受け二人は戸惑う。
- 彼は一体何をしにきたのか?と二人は思う。
- まさか、何も知らないのだろうか?
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- 「お前・・・何も知らないのか?」
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- ムウはたずねた。
- すると、彼は頷いた。
- とりあえず、バルトフェルド達はメンデル攻防戦が終了してからの事を話すことにした。
- まずは、バルトフェルドからである。
- メサイア攻防戦が終了し、ラクスも議長になって、1年が過ぎた。
- ラクスは確かにカリスマ性を誇っていたが、彼女を嫌う者も居た。
- かつて地球軍へ所属していたキラも一部から周囲からの印象があまり良くなかった。
- しかし、ラクスの頑張りとキラの優しい行動は周囲の人々を変えていった。
- ただ、一人はあまり変わらなかった。
- その男の名はプラント最高評議会議員、国防委員長セイ・ミヤマだった。
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- 「セイ・ミヤマだと?馬鹿な!彼は・・・」
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- マサカズは彼がMIAと思い込んでいた。
- 以前、プラントの軍人データを見たときMIAと表記されていたからだ。
- MIAの意味する事は戦闘中行方不明となったこと、そしてほぼ戦死だろうと言う扱いである。
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- 「その男は就任してすぐに議会に対し、新型MS4thシリーズの機体開発計画を持ちかけた」
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- 本当の名称は4th-Xプロジェクト。
- セイの出した、この提案は幻の企画となった。
- 理由は勿論、ラクスや他の者が認めなかったため。
- そして彼は立場を利用して動き出した。
- 表は議員として、裏では世界を破滅に導くリーダーに。
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- 「まず、彼はどのような行動を?」
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- 「彼はしばらく大人しかった。ただ、キラを嫌う事を除いてな」
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- セイはどうしても、キラへの憎しみを完全に抑える事は出来なかった。
- そんな中、謎の部隊と交戦し、キラは苦戦しいられた。
- 戦闘中、キラは敵が無人機だと考え、コックピットに攻撃を加え、交戦した内の一機を捕まえて彼は帰還した。
- 案の定、その機体は無人機だった。
- やがて、あることに気づいたキラは単独でメンデルへ向かい、行方不明となった。
- メンデルは核の光に包まれたことと同時に。
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- 「メンデルが核で・・・」
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- あの場所はマサカズにとっても、良い思いではない場所だ。
- しかし、消えたは消えたでショックだった。
- どんな場所であろうと、自分の生まれ故郷なのだから。
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- 「俺からは一端ここまでだ」
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- 「次は俺から話すぜ」
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- ここからバルトフェルドからムウへバトンタッチ。
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- 「宇宙でそんなことが起きていたなんて知らない俺達は、謎の部隊と交戦したんだ。リーダー格の奴もいたけどな」
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- ムウはその部隊と交戦する理由に至るまでを、まず説明した。
- まず、謎の男がオーブ行政府内にある代表首長室へ押しかけてきたことが原因である。
- アスラン達は追い返そうとしたが、相手はキラに関することだと語った。
- キラが関係しているならば、無視は出来ないと考えたアスランとシンはカガリに報告してからどうするか決めようと考える。
- カガリは会ってみると言い出し、相手の男を引き入れ、話し始める。
- 勿論、アスラン達も同席して。
- 彼はカガリと会うとカガリ・ヒビキ、キラの殺害に協力しないか?などの言葉を口に出した。
- 以上のことから、その場にいた3人は男を敵だと判断する。
- カガリ達は勿論拒否。
- その後、男は逃げ出し、アスランはその男を追いかけた。
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- 「で、そいつらはMSを出してきたから、俺達は交戦したという訳だ」
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- その後、何度か彼らと交戦。
- 敵は無人機が中心だった。
- 無人機でなかったのは黒いジャスティスくらいである。
- 途中、地球軍の基地周辺で戦闘したということもあり地球軍からの攻撃はあったものの、ミリアリア達のお陰で何とかその場を乗り切ったのだった。
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- 「そこからは宇宙の話へ戻る」
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- ここで再び、バトンタッチ。
- ラクスは全世界に向けて、自分のお腹の中にはキラとの子供が宿っていると話した。
- これからはラクス・ヤマトと名乗るとも。
- この発言は全世界に衝撃を与えた。
- いくら恋人がいるとはいえ、そこまでの関係になったことが、急に本人の口から発せられれば、世界中が驚くのは当たり前だ。
- さらに大抵の一般市民が考えるラクスのイメージは聖女。
- ラクスのお腹に子供が居るなんて、なおさら世界中が驚いただろう。
- とはいえ、話を聞いているマサカズはあまり驚かなかった。
- 二人に子供が出来る事は想像が容易だったからである。
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- そのことを発表した後、FOKA‘Sはラクス抹殺を狙い、プラントへ攻撃を仕掛ける。
- これはキラを誘い出す作戦でもあった。
- 絶体絶命かと思われたそのときに、ボロボロのフリーダムが現れる。
- 現れたキラは重症を負っていた。
- 普通の人間なら、MSに乗っている場合ではない。
- キラも例外ではないくらい、傷があった。
- それでも、彼は戦った。
- ラクスをプラントを守るために。
- やがて、戦闘が終了。
- 周辺にいたザフト兵がフリーダムを回収、俺達はフリーダムのコックピットを強制的に開けた。
- キラはまるで死んでいるかのように、ぐったりしていた。
- エターナルの医務室で応急処置を受けたあと、すぐにプラントの病院へ運ばれる。
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- 「・・・・・」
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- 話を聞いていて、マサカズは絶句した。
- キラは以前にイージスの自爆、インパルスのエクスカリバーの攻撃から生還している。
- だが、これは偶然が重なっただけ。
- イージスの際は偶然にもロウ・ギュールと自分が居た事、インパルスの際にはキラがとっさの判断で核エンジンを停止したことにより、何とか生還している。
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- 「写真を見るかね?」
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- バルトフェルドはキラの様子の写った写真を持ってきた。
- その写真は彼の想像を超えていた。
- マサカズはかつて、ソウキスに破れた叢雲劾をサーペントテールのメンバーと助けた事がある。
- その時の叢雲劾も意識を失っており、コックピットには血が付いていた。
- 傷はなんとかオーブで治ったが。
- キラの写真は劾の傷のレベルではなかった。
- 写真を見る限り、とても戦闘の出来る状態ではない。
- しかし、キラは実際にこの傷で戦闘し、無人機の部隊を退けている。
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- 「この体でキラは・・・・・話を続けてください」
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- マサカズは続きが気になっていた。
- この後キラはどうなったか、ここまで話を聞けば誰もが気になる話なのである。
- さらにバルトフェルドは話を続けた。
- キラは病院へ運ばれた後、1週間眠っていた。
- 1週間で意識が戻ったのは、ある意味奇跡だろう。
- バルトフェルド達は病室で二人が何を話したか聞いていない。
- 想像が簡単だった、というのもあるのだが。
- 実際、話を聞いたマサカズもムウ達と同じような想像をしていた。
- また、キラが眠っている間にバルトフェルド達から、正体がばれたセイは逃走した。
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- それから何日か過ぎ、FOKA‘Sは再び攻撃を開始した。
- まともに動けない状態にもかかわらず、キラは司令室の通信越しに叫んだ。
- これ以上、周りの人を巻き込んでも何もならないと。
- しかし、その言葉はFOKA‘Sに届くはずもなかった。
- キラのデータにより、ザフト兵と無人機APSとの戦闘はよかったが、リーダー格の敵が出てきてからは、一変。
- ディアッカも危なくやられるところだったが、ジャスティスやアークエンジェルの登場によりまた一変した。
- 援護するというマリューの言葉にキラとラクスは戸惑った。
- このままだと外交問題に発展し、政治が大変な事になると考えた二人だったが、カガリとアスランの言葉に二人は頼る事にした。
- 劣勢だったザフト側もなんとか、押し出す事に成功し、FOKA‘Sを撤退する事に成功。
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- 「で、俺達は合流して臨時会議を開き、今後について話し合ったのさ」
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- ムウはそう話した。
- そのときにイザークが国防委員長になったことも。
- キラの報告を元にアークエンジェルはFOKA‘Sの基地があると思われる場所へ行き、交戦に入る。
- シンと交戦した相手が基地の中で自爆した事により、基地は消滅した。
- 彼らはとどまる事を知らず、すぐにオーブへ進行を開始した。
- キラの母であるカリダの殺害を行うために。
- カリダを引き渡せと言う敵の言葉にキサカは拒否。
- 戦況はオーブ軍が劣勢だったが地球軍とシャイニングフリーダムに搭乗するキラの援軍により、FOKA‘Sは白旗を揚げた。
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- その後、キラは地球でラクスはプラントでカリダと再会。
- プラントに戻ったキラはラクスとカガリ、アスランを連れて、敵パイロットであったテツに会いに言った。
- この時、バルトフェルド達は詳しい話を聞いていない。
- キラがテツに対して、自分が最高のコーディネータなら、どうして何も守る事が出来なかったのか、と叫んだことも知らない。
- ムウ達が知っているのはキラの言葉が届いたテツが少し話したくらい。
- やがて、キラ達にあることが伝えられた。
- それは月面基地に駐留していたザフト軍が壊滅したとのこと。
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- 「そして、俺達は最終決戦に臨んだ」
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- 戦闘に出る前、それぞれの者達が覚悟を決めて出撃した。
- 激しい戦闘になり、ビームの光が飛び散っていた。
- 戦闘の最中にアーサーはあることに気づいた。
- 敵の要塞が地球へ落下するコースへ入っていたのである。
- そのことを伝えられたアスラン達は要塞へ行こうとするが、敵が簡単に行かせてくれるはずもなかった。
- FOKA‘Sの敵パイロットのおかげで何とか要塞を消滅する事に成功した。
- だが、プラントの危機はまだ去っていなかった。
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- 「ここから俺が話そう」
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- 急に現れたのはイザークだった。
- 彼はその時、ラクス達と共にプラントへ居た人物である。
- とはいえ、マサカズは疑問が残ったものの、話を続けるように話した。
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- 「奴らは3機のMSでザフト軍のMSを核ミサイルに近づけないようにしてきた」
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- まるで、かつてのヤキン戦のようだったとイザークは話す。
- ミーティアを装備したシャイニングフリーダムが来たとはいえ、事態は深刻だった。
- キラは3機のMSの攻撃を回避するだけで、精一杯だったのである。
- ミサイルはプラントへ近づき、どうしようもないと思われたその時、1機のMSが現れミサイルを全て破壊した。
- そのMSはエールストライクを思い出させるMSストライクラピドがテンパシーから出現したのである。
- 乗っていたのは捕虜となっていたテツ。
- テツは何をするべきかを気づき、ラクスからMSを与えられたのである。
- 彼はセイに訴えながら戦っていた。
- だが、テツはFOKA‘S内では下っ端でシュミレーションの成果も低かった。
- 見る見るうちにテツは追い詰められていたが、突然セイを圧倒する動きを見せる。
- テツはSEEDを発動したのである。
- マサカズは話を聞いていて、すぐにSEEDを発動させたのだろうと思い浮かべながら話を聞いていた。
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- そのテツの説得が届いたのか、セイは動きを止めた。
- しかし、その瞬間セイは爆炎の中に消えた。
- 仲間であったはずのケルビナという男に討たれたのである。
- テツは怒りに震えた。
- セイを討ってケルビナとコルストは全回線を開き、宣言した。
- デステニィープラン再実行を。
- 宣言してすぐにケルビナは討たれた。
- 仲間のコルストに。
- コルストが討たれ、すぐにキラはプラントの攻撃を止めるためにケルビナと交戦していた。
- 一方の司令室は、プラントに向かっている小惑星を止める方法を考えるのに必死だった。
- 今、自分達の居る要塞を盾には出来ないだろうか?というカガリの提案をイザークは悩んだ末、実行する事にする。
- プラントが無くなっては、守る意味がないからである。
- イザークはカガリとラクスに脱出するようにと言うが、ラクスは拒否。
- ギリギリまでコントロールするのだという。
- 勿論、放っておくわけにはいかないイザークも残る。
- キラはコルストの相手をテツに任せ、テンパシーへ向かった。
- 途中ミーティアで駆けつけたアスランの助けもあり、キラはテンパシーの中へ入る事が出来た。
- テンパシーのコントロールを入力し、脱出するラクスとイザーク。
- だが、テンパシーにデブリは当たり始めていた。
- 司令室も揺れて、鉄骨が落ち始めていた。
- イザークは持ち前の運動神経でかわすが、ラクスはそうはいかなかった。
- ラクスは呆然と鉄骨を見つめていたが、気づいたら上に鉄骨はなくキラの顔があった。
- キラは危険を顧みず、ラクスを助けたのである
- 彼はラクスをフリーダムに乗せて、イザークと共に脱出する。
-
- 「俺達はやっと、たどり着いたんだ」
-
- バルトフェルドはそう話した。
- その頃、フリーダムのコックピットの中ではキラとラクスが話していた。
- ラクスはエターナルにはいかずにこのまま、ここに居るのだという。
- 勿論キラは反対するが、ラクスに勝てるはずもなくそのまま乗せて戦場に向かった。
- 激しい戦闘が行われる中、キラとラクスの言葉でコルストは衝撃を受け、無抵抗となる。
- キラは迷いを生じたが、終わらせるため、コックピットをビームサーベルで切り裂く。
- これで戦いは終わったのだ。
-
- 「戦いに関してはここまでだ」
-
- 全ての事を聴いたと思ったマサカズに疑問は浮かぶ。
- 戦いに関してはという言葉にどうしても疑問が出てくる。
- 考えるうちにマサカズは先程の話しの内容に気づく。
-
- 「子供の事ですね?」
-
- 三人は頷いた。
- 生まれる辺りの事は、三人も詳しくは知らない。
- でも、簡単に想像する事が出来た。
- 慌てるキラを落ち着かせるカリダの光景を。
- その後、無事にラクスは出産。
- 二人は産まれた双子の男の子をコウ、女の子をヒカリと名づけた。
- 産まれてから、何日かが過ぎて結婚式が行われた。
- 勿論、プラントの一大イベントである。
- 二人の子供も人前で公開された。
- キラとラクスは子供を抱いて嬉しい表情で結婚式は終了した。
-
- 「これがFOKA‘Sの話からキラとラクスの結婚式までの話だ」
-
- 急に現れた人物にマサカズは驚いた。
- テツが登場したのである。
- しかも、マサカズが気づいたときにはバルトフェルド、ムウ、イザークは居なかった。
- ただ、テツと他のFOKA‘Sメンバーの写真を残して。
- マサカズはメンバーの写真を見てしまう。
- 彼はFOKA‘Sについて考えた。
- こいつらは自分と同じような存在で、自分も一歩間違っていたらこうなっていたのかもしれないと。
- 目を開けると居てはいけないはずの者達がそこには居た。
- セイ達FOKA‘Sメンバーが自分を取り巻くように立っているのである。
- マサカズは彼らの写真を見たこと、心の中で考えてしまった事を後悔した。
- しかし見てしまった以上、どうしようもない。
- 彼らの声を聴いてみると、代わりに言葉を伝えて欲しいのだという。
- テツとある人物に。
- やらない訳にはいかないマサカズはテツに伝えた。
-
- 「テツ、信じなくてもいいが聞いてくれ。セイ達はお前の生きたいように生きてくれと言っている」
-
- マサカズの言葉にテツは驚いた。
- 死んだはずのセイ達と話しているような彼の言葉。
- 信じられないというのが心情だが、テツは信じてみる事にした。
-
- 「マサカズ、セイ達はここら辺に居るんだな?」
-
- テツは指を指す。
- 偶然か、感じたのかセイとホドスの居る場所の中間を指していた。
- マサカズは頷く。
- そして、テツは叫んだ。
-
- 「ああ、お前達の分まで幸せに生きてやる!」
-
- そう叫んで、テツは部屋から出ていこうとしていた。
- マサカズは言い忘れた事をテツに伝える。
-
- 「後、もう一つ。小鳥遊 新生とか言う人に、シャイン完結と1周年おめでとうと伝えてくれと言っていた」
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- テツはその人物の名前を聞いて、内心驚いた。
- 自分が知らないはずはない人物の名前なのだから。
-
- 「分かった」
-
- テツはそう言って部屋から去っていった。
- 程なくして、マサカズも去った。
- キラとラクス、コウとヒカリ達を見るために。
- マサカズとテツ。
- 二人の顔には笑顔が溢れていた。
-
-
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-
- FIN
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-
FIN
- 日本語タイトル 「SEED SHINE完結記念&1周年記念」
-
ビクトリー様よりいただいた小説です。
日本語のタイトル通り、当サイトの長編、SEEDSHINE完結&1周年記念として戴きました。
この作品はSEEDSHINEの総集編という形になっています。
ビクトリー様のサイトのオリジナルキャラクターが語らうという形で、見事に表現されています。
駄文ながら拙宅の小説をよく読まれているビクトリー様ならではの仕上がりです。
50話ありますので、今から読むのは億劫だと言う方は、こちらで一気に流れを掴んでください。
あ、でも気に入っていただけたら、是非長編の方にも目を通してみてください。
また現在、ビクトリー様のサイトにてSEEDLEGENDが連載中です。
改めて御礼申し上げます。
その中で拙宅のオリジナルキャラも脇役で出演する予定ですので、そちらも是非ご堪能下さい。
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