- ミライがオーブへと舞い降りる少し前。
- ヤマト派の秘密基地ではラクスが無事に帰還した興奮と、オーブが地球連邦軍によって襲撃された動揺がドック内を駆け巡っていた。
- オーブ襲撃は予想はされていたことだが、それでもまだ半信半疑で、地球連邦がそれは馬鹿げた事だということに気が付いて襲撃しないのではと淡い期待も抱いていたのだ。
- 世界は再び争いの混乱が渦巻く方向へと転がり始めたことを誰もが実感し、うろたえていた。
-
- しかしそんな周囲の喧騒を余所に、ミライは1人静かに目を閉じて考え、決意を固めていた。
-
- 「私はオーブへ援護へ行きます」
-
- 目を開けて前を見据えたミライは、僅かの躊躇いも見せずに凛としてそう告げた。
-
- ミライの言葉にエミリオン達は大層驚いた表情を見せ、一瞬喧騒がピタリと止んで静寂が訪れた。
- ラクスを助け出してからまだ時もそう経っていない。
- それによるミライの疲労も心配だが、それよりも自ら死地に飛び込むような言動を慌てて止める。
-
- 「何を仰っているのですか。まさかたった1人で地球連邦軍に勝てるとでも!?お気持ちは分かりますが、たった1機援護に行ったところで状況は覆せません。残念ですがこの状況ではオーブが地球連邦軍に敗れるのはどうしようもないことです」
-
- エミリオンは非情とも取れる現実を突きつける。
- 確かに現実的に考えれば圧倒的な物量を誇る地球連邦軍の優位は動かない。
- オーブを見捨てたいわけではないが、共倒れになるのとどちらかを選択しなければならないのであれば、その判断を一概に責めることは出来ない。
- それにESPEMはようやくこれから反撃する態勢を整えようというのだ。
- その時に旗印、象徴となってもらわなければならないミライを欠く事は、ヤマト派としては絶対にあってはならない。
- またラクスこそアルティメットフリーダムで連れ帰ったミライだが、MSに乗るまでは戦うことを嫌い、恐れ、精神的にまだまだ幼さが残っていた少女だった。
- だから自分達が守って育てなければという思いが残っていたことも反論の理由だ。
-
- しかしミライは意志の篭った表情を崩さずに首を振る。
-
- 「そのような自惚れたことは思っておりません。ただ目の前に見えている状況に無理だ、無駄だと言って何もしなければ、本当に何も出来ません。だから自分が出来る最大限の努力をしたいと言っているだけです」
-
- それはミライの中に確かに芽生えた感情だ。
- 迷いながらも再びMSに乗って、ラクスを助け出して感じたこと。
- やる前から諦めて何もしなければ、可能性すら発生しない。
- だから自分1人で何もかも出来るとは思っていないが、自分が出来る何かをしたいと思った。
- 後に続く者達のために。
- 未来を守るために。
- 不条理な暴力で泣く人たちが少しでも減るように。
-
- ミライの意志と言葉にエミリオンは反論の言葉を無くす。
- 自分が言ったことも正論だが、ミライが言ったことは真理だ。
- そうでなければあの状況でラクスを救い出すことなど誰も考えもしなかった筈だ。
- 今度のオーブの援護に向かうのとラクスの救出に向かうのと果たして、どれほど危険に違いがあろうか。
- 危険だと分かっていながらラクスの救出に向かわせたのは自分達だと言うのに。
- 知らず知らずに自分にとって大切か、関わりが深いかということを判断基準にしてしまっていたことに気付かされる。
- 同時につい先ほどまでまだ幼いと侮っていた少女の言葉とは思えぬ台詞に、大きな衝撃を受けた。
-
- 1人驚いていないのはラクスだった。
- 彼女はミライのこの行動を予想していたようだ。
- それはキラであればそう行動するだろうと想像したことも関係無くは無いが。
- とにかく誰よりもミライのことを信頼しているからこそ、ラクスは反対しなかった。
- そして今ミライが言った台詞を、ラクスはよく覚えていた。
- かつて自分がそっと道を示した時、キラが告げた言葉と同じことを彼女は言った。
- その言葉をミライは知らない筈だが、それでも口にしたことに自分とキラの子供なのだと強く実感する。
- そして1人立ちする時が、自分の手を離れて大きく羽ばたいて行く時が来たのだということも。
-
- 「分かりました。ですが無理をしてはいけませんよ。あちらではカガリさんの指示に従いなさい」
-
- 母親の顔を見せながら、そっとミライの背中を押した。
- エミリオン達は口をあんぐり開けてラクスの言動に驚くが、ラクスに逆らう理論も術も持ち合わせていない。
- いつもながら普通とは違う親子関係、言動には驚かされるが、ラクスの言うことならばという気持ちになるのは彼女の持つカリスマからなのか、凡人には見えない先を見据えているからか。
- いずれにしてもラクスが承認したことで、ミライが出撃する障害は完全に取り払われた。
- 戸惑いながらもアルティメットフリーダムの出撃準備に入るブレイン達。
-
- 同時に黙ってミライ達のやり取りを聞いていたザイオンだが、彼もまた決意を固めた表情を上げる。
- そしてミライに告げる。
-
- 「俺もすぐにフリーズの修理が終わったら必ず行きます。それまでは絶対無茶をしないでください」
-
- 当初ザイオンもミライの行動には反対すべきだと思った。
- あまりにも無謀で、無理があり過ぎる行動だと思ったからだ。
- しかし自分もこれから、まだザラ派ば掌握したプラントにいる幼馴染の双子を助ける、無茶なことをやってのけなければならない。
- この世界を守るためにも双子と同様、オーブは失ってはならないことも理解している。
- ならば不可能だと思えることも、はなから諦めていてはそれを成し遂げられないようにも思えた。
- 可能性は低くても何か行動をしなければ、成功確率は0%のままだ。
- それならば僅か0.001%の成功率でも、行動を起こせばその0.001%が起こりうるかも知れない。
- その奇跡とも言える可能性に掛けるだけの価値があると判断した。
- いやその可能性に掛けなければ自分も世界も、何も変われないと思った。
- それに気付かせてくれたのは、妹分だと思っていた目の前の少女だ。
-
- ザイオンの言葉を聞きながら、ミライは自分に同調してくれる者がいることが嬉しかった。
- オーブだけではない、争いが渦巻き溢れる世界へ転がりつつあるこの世界を救いたいと心から願うから、それを仲間と一緒に食い止めたい。
- キラとラクスの娘だからでは無い。
- この世界に生きる1人の人間として、彼女は未来を愁い、見据えていた。
-
- 「はい、お待ちしておりますわ」
-
- ミライはにこやかな笑みを浮かべて踵を返す。
- その笑顔はとても大人びていて、後姿はまるで光の中に向かって歩いていくように大きく輝いて見え、精神的にも大きく成長した、もうただのラクスの娘ではないことを強く実感として抱かせた。
- その場にいた誰もがこれから自分が付き従い、後を追うべき存在が誰なのかを認識したのだった。
-
-
-
-
PHASE-47 「思わぬ援軍」
-
-
-
- アルティメットフリーダムとデスパイア、インフェルノ、シャダーの戦いは激しく熾烈なものだった。
- ミライは歯を食い縛って体に掛かるGに耐えながら操縦桿を力一杯引き絞る。
- インフェルノのビーム砲とシャダーのライフルの光が左右から同時に襲い掛かるのを、機体の上半身をそらせながら急降下させて紙一重でかわす。
- そのまま海面まで高度を下げると逆噴射で制動を掛け、海面に浮かんだまま両手にライフルを水平に構えて2機に対して同時に反撃の一射を見舞う。
- そのインフェルノとシャダーが射撃を回避する隙に正面から迫るデスパイアには腹部の複相ビーム砲を放ち、3機の接近を許さない。
- 続けてアルティメットフリーダムは海面を蹴るように、バーニアの噴出で漣を立てて上空に飛び上がる。
- ミライはそのまま遠距離攻撃の火力が厄介なインフェルノに先ず的を絞ると、ライフルを機体の腰に納めてビームサーベルを両手に掴んで振り被る。
- しかしアリサも負けじと肩と腹部のビーム砲を連射し、アルティメットフリーダムを振り払う。
- その左右からすぐに体勢を立て直したデスパイアとシャダーが切り掛かり、ミライは後方に縦に回転して攻撃を回避しながら3機から距離を取る。
- それを見た3機はすぐに散開してアルティメットフリーダムを取り囲み陣形を組み直すと、3方から集中砲火を浴びせる。
- 螺旋を描き、機体を捻りながら何とか攻撃を回避し続けるミライ。
- その表情からは必死さが滲み出る。
- 並みのMSとパイロット相手であれば3対1でも今のミライの実力ならどうということは無いのだが、相手もドロム達ほどの実力では3対1では厳しい。
- 辛うじて攻撃を凌いでいるというのが現状で、反撃を考える余裕はだんだんと失われていく。
-
- それでもミライが3機を引きつけていることで、リュウ達が地球連邦軍との戦いに集中出来ている。
- アカツキ改が地球連邦軍の母艦に突出して切り裂き、それを取り囲もうとしたウィンダムウェーブをM−6が撃ち落し、地球連邦軍の一角が崩れた。
- そこをオーブ艦隊が突き崩して、地球連邦軍の陣形は少しずつ乱れてきた。
- 戦線がオーブ本土から少しずつオーブ領海側へと後退している。
- 厳しい戦いには違いないが戦況は5分、むしろオーブ軍の方が圧している。
- オーブ軍も物量の差をものともせず踏ん張っているのだ。
- 自分だけがここで弱音を吐いて諦める訳にはいかない。
- 気持ちを引き締め直すと、改めて3機の相手に集中する。
-
- だが現実はかなり厳しい。
- 3機の統率の取れた連携攻撃は容赦無く正確にアルティメットフリーダムに襲い掛かる。
- ミライはくっと呻き声を漏らして回避行動を取る。
- 僅かずつ時間差で放たれる射撃は、確実にアルティメットフリーダムの回避するポイントを奪っていく。
- 機体をスピンさせながら螺旋を描いて弾丸のように高速移動させて何とかかわし続けるが、ついにインフェルノの放ったビーム砲はかわし切れなかった。
- 咄嗟にビームシールドを掲げてその攻撃を防ぎ、機体へのダメージは無かった。
- だが強力なビーム砲の威力に圧されて体勢は崩れ、スピードも急激に落ちた。
- そこを間髪入れずにデスパイアのビームサーベルが、アルティメットフリーダムの頭上に閃めかせて襲い掛かる。
- それは確実にアルティメットフリーダムのコックピット目掛けて振り下ろされる。
- ミライはさらに苦悶の表情を浮かべながらもビームサーベルで受け止めようとするが、まだ状態は立て直せておらず間に合わない。
- 悔しさを滲ませながらもやられることを覚悟し、迫る閃光をじっと凝視した。
-
- その時突然視界からビームサーベルの光が消え、代わりに真紅のMSの後姿がモニタを覆い尽くした。
- 横からアルティメットフリーダムとデスパイアの間に割り込んだのだ。
- 真紅のMSは自らのビームサーベルでデスパイアの斬撃を受け止めると、横に薙ぎ払って弾き飛ばす。
- そしてアルティメットフリーダムを背に庇うようにサーベルを切っ先をデスパイアに向けて、啖呵を切るように構える。
-
- またも新しいMSの登場にドロム達も戸惑う。
-
- 「今度は赤い奴かよっ!」
- 「次から次へと何なんだよ、お前らは!」
- 「もううざいよこいつら。あたし達の邪魔ばっかり」
-
- 口々に毒づくが3人の内心には焦りと苛立ちが渦巻き、少しずつ彼らの歯車を狂わせている。
- アルティメットフリーダムにはことごとく連携攻撃を凌がれてきた。
- そんなことは彼らの経験上初めてのことだ。
- シミュレーションで様々な状況に応じた対応の訓練はこなしてきているが、所詮はシミュレーションだ。
- 実際の戦場で起こりうる全ての状況を再現することなど出来ない。
- そしてどうにかすればクリア出来るように設定されている。
- だが彼らはそんなことを知らない。
- それが全ての世界で育ってきた。
- だから自分達に出来ないことは無いと信じていた、いや信じ込まされていたのだ。
- あの手この手のフォーメーションを駆使して、ようやく仕留められると思ったのに、そこにまたデータに無いMSが現れて攻撃を防いだことで、彼らの非常時の対応マニュアルには無い状況が次々に襲い掛かり、その思考と精神は既に破綻寸前だ。
- エクステンデントの調整は研究が進んだと言っても、今の地球連邦軍の技術では全く処置をせずに戦い続けることは出来ない。
- それがエクステンデントの致命的な弱点だとも言えるのだが、そんなことは本人達は分かっていない。
- 本人達のせいですら無い。
- 作り出した大人達でさえ、それを自分のせいにしようとしない。
- 彼らが無能だからだ、と言う結論を導き出す。
- 何とも傲慢な考えだと思うが、だからエクステンデントの”創造”などという暴挙に走ったのだろうとも思うと、人間の愚かさが浮き彫りになる。
- 彼らはその犠牲者に過ぎない。
-
- 一方ミライも見知らぬMSの援護に驚き、咄嗟にデータベースからライブラリ照合を行う。
- すると目の前のMSに該当するデータがアルティメットフリーダムには1件だけ登録されていた。
- その名はアルティメットジャスティス。
- ミライも聞き覚えがある名前。
- フリーダムと並んでかつて戦争を終結に導いたとされる伝説のMS。
- アルティメットフリーダムと同じく、そのジャスティスを新たな戦いに備えてヤマト派が作り直した最新鋭のMS、アルティメットフリーダムの兄弟機だ。
- つまりはこのMSは味方だと言うことになる。
- しかしその機体が何故ここにいるのかは分からない。
- 完成したとも聞かされていないし、宇宙では見かけなかった。
- また昔のパイロットは父の親友であるアスランだということは知っているが、アスランが乗っているとは思えない。
- 一体誰が乗っているのかも疑問に思う。
-
- そこにアルティメットジャスティスから通信回線が届く。
-
- 「フリーダムのパイロット、聞こえるか。ミライ=ヤマト、だな」
-
- 通信機のスピーカーから聞こえた声にミライはさらに目を見開いて驚く。
- その声は聞き覚えがあった。
- そしてこの場所で、この状況でまさか再会するなどとは全く思ってもみなかった相手だ。
-
- 「貴方は、ヒュー!?」
-
- 声の主はオーブで別れた筈のヒューだった。
- アルティメットジャスティスにはヒューが乗っているのだ。
- 彼はオーブで捕虜として引き取られた筈だ。
- それがMSに乗ることなど通常は考えられない。
- まさか脱走した時に奪取したとでも言うのだろうか。
- ますますミライの思考は疑問符で埋め尽くされる。
-
- しかしヒューは脱走した訳でも、アルティメットジャスティスを強奪した訳でも無い。
- 様々な紆余曲折を経て、MSを託されたのだ。
- そんなヒュー自身も自分が何故アルティメットジャスティスに乗ってここにいるのか、心の整理が出来ていない。
- 何かに迷っているような渋い表情を浮かべたまま、相対しているデスパイアをじっと見つめている。
- しかし自分がやるべきことは頭では理解しているつもりだ。
- 少なくとも今はオーブを地球連邦政府から守るために、ミライを3機の凶刃から守るためにここにいる。
- それを自分の手で果たせなくなった人達からその思いを託されてここにいる。
- その思いがヒューの背中を押し、力を与える。
-
- 「ボーっとしている暇は無い。今はとにかくこいつらを蹴散らすぞ!」
-
- ヒューは操縦桿を握り直すとぶっきらぼうにそう告げて、デスパイア目掛けて加速する。
- ドロムも迫るアルティメットジャスティスにハッとなって、慌てて振り下ろされたビームサーベルを後ろに下がって避ける。
- それを新たな戦いの合図として、インフェルノ、シャダーも再びアルティメットジャスティスとアルティメットフリーダムの周囲を旋回し、攻撃を仕掛けてくる。
- だが動揺した3人の攻撃は精彩を欠いていた。
-
- しばし呆然としていたミライだが、照れ隠しのそのヒューの言動が可愛らしく見えた。
- 何故ヒューがアルティメットジャスティスに乗って自分の援護をするのかは分からないが、それでもまるで100万の味方を得たような心強さが漲ってくる。
- 理屈ではなく、ヒューと共に戦えば目の前の強敵にも勝てる気がしてくる。
- ミライは口元に僅かに笑みを浮かべると、ヒューの駆るアルティメットフリーダムに続いて再び3機に挑む。
-
- ミライとヒューは3機が放った射撃を二手に分かれて回避すると、ミライはシャダー、ヒューはデスパイアに接近する。
- ミライはアルティメットフリーダムの腰部からビームサーベルを抜いて横に薙ぎ払う。
- ロッドはビームサイズの湾曲した刃で辛うじて受け止める。
- しかしパワーはアルティメットフリーダムの方が上だ。
- 気合を込めて振り抜いたサーベルはシャダーを弾き飛ばす。
-
- 「くそっ、くそっ、くそっ!」
-
- ロッドは衝撃で激しく揺れるコックピットの中で何度も舌打ちをする。
- 自分達が負けるどころかこれほど苦戦をすることは全くの想定外だ。
- しかし現状を覆せるだけの力が、取り乱した彼には無かった。
-
- ヒューはビームサーベルを両手に取り、十字を切るように左から斜めに振り上げる。
- 先ほど自尊心を傷付けられたドロムは怒りに満ちた表情を浮かべて、真っ向からそれを受け止める。
- だがやはりパワーで勝るアルティメットジャスティスがデスパイアを弾き飛ばす。
- ドロムはくぐもった呻き声を漏らして機体を立て直そうとするが、それよりも早くアルティメットジャスティスが次の斬撃を繰り出し、防戦一方になり、ますます苛立ちを募らせる。
-
- アリサは2機の援護をと思うが、2機は完全に分断されていてどちらから援護すれば良いのか咄嗟に判断出来ない。
- その間にもアルティメットフリーダムとアルティメットジャスティスの猛攻は続き、アリサの思考は完全に狂ってしまった。
- 目を剥き出しにするように大きく開いて、まるで別人のような表情を浮かべる。
-
- 「うわぁーーー!」
-
- そして悲鳴にも似た叫び声を上げて滅茶苦茶に全ての火器からビームを放つ。
- 敵味方関係無く襲う光が、結果的にはドロムとロッドの援護になった。
-
- 「よし、まずは落ち着けアリサ。ロッドも、フォーメーションを立て直すぞ」
-
- ドロムは辛うじて冷静さを保ちながら、何とか連携を組み直そうとアリサとロッドに指示を飛ばす。
- しかし2人ともドロムの声など届かないほど錯乱状態に陥っている。
- 連携など頭に無い様子で闇雲にアルティメットフリーダムとアルティメットジャスティスに突っ込むばかりだ。
-
- ドロムは苛立ちを隠そうともせず、そんな2人の後を追う。
- 先ほどまでの統率の取れた連携は見られず、そうなっては例え3対2でもミライとヒューの敵ではなかった。
-
- 迎え撃つミライとヒューは落ち着いて機体を背中合わせに並べると、ライフルを平行に構えてインフェルノへ向けて同時に発射する。
- 攻撃には気付いたアリサだったが正常な状況判断は出来ず、その攻撃をシールドで防御するという行動に出る。
- コックピットへの直撃は防いだが、受け止めたシールド発生装置は破壊されてしまった。
- 呆然とするアリサ。
- そのインフェルノの影からシャダーが飛び出しビームサイズを振り回すが、ミライとヒューはさっと左右に分かれると、シャダーの前で機体を交差させるように迫り擦れ違う。
- 同時に互いのビームサーベルをクロスさせ、ビームサイズを切り裂く。
-
- ミライとヒューはまるで何年も共に戦ってきたかのような息の合ったコンビネーションを見せ、形勢は一気に逆転した。
-
-
― Starstateトップへ ― |― 戻る ― |
― NEXT ―